失った歯を取り戻す ~インプラント~
- 2023年9月8日
- インプラント
♦歯科インプラントとは?♦
『インプラント=歯科の治療』と思ってる方もいるかもしれません。しかし、インプラントは「体内に埋め込む医療器具・材料」を指します。
ちなみに、インプラントは英語で「implant」と綴り、和訳すると「植え付ける」「吹き込む」「差し込む」「移植する」となります。
歯科以外でもインプラントという単語は使用されており、心臓のペースメーカーや美容整形で用いるシリコンなどもインプラントの一つです。
歯科領域では、あごの骨に埋め込む人口歯根をインプラント、正しくは『歯科インプラント」と呼びます。インプラントは歯科で扱う機会が他の科と比べて多いことから、一般的に『インプラント=歯科インプラント」と認識されています。
♦インプラント治療を受けられる方♦
インプラント治療は、事故や歯槽膿漏、虫歯などで歯を失った方や、先天的に歯がない方が受けられます。1本からすべての歯まで対応可能です。
ただし、誰でもインプラント治療が受けられるか・・・というと、そうではありません。
インプラント治療は手術が必要なため、全身状態が悪い方や、インプラントを埋め入れる予定部位のあごの骨が丈夫でない方は治療を受けられないケースもあります。
また、高血圧症や心臓疾患などの循環器疾患、喘息などの呼吸器疾患、糖尿病や骨粗しょう症などの既往歴がある方も注意が必要です。
その他、歯周病などの基礎疾患がある方は担当医師に相談しましょう。
♦インプラントのメリットとデメリット♦
失った歯を取り戻すには、「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3種類の方法があります。
インプラント治療では、あごの骨に生体親和性の高い金属であるチタンやチタン合金でできた人工歯根を埋め込む手術を行います。
骨のなかに埋め込める部分をインプラント体(人工歯根)といい、そこにアバットメントと呼ばれる義歯との連結部分にあたる部品を取り付け、義歯をかぶせます。
インプラントの最大のメリットは、義歯をしっかりと固定して根っこの機能を回復できるため、本来ある自分の歯のような感覚で噛めるようになることです。
また、外れてしまう恐れが軽減されて異物感なく話せるようになるだけではなく、義歯にセラミックやジルコニアなどを使うことにより、天然の歯とほとんど変わらない見た目になります。
一方、デメリットとしては、治療費が高額になることが挙げられます。なぜ高額になるのかというと、インプラント治療は原則的に保険適用外となり、健康保険がきかず自費診療になるからです。
しかし、外傷・腫瘍であごの骨を失った場合や骨移植を行った場合、先天的に歯やあごの骨がない方などは健康保険の適用が受けられることもあります。気になる方は、事前に担当医師に相談してください。
インプラントの治療期間は4~6ヵ月程度で、手術後も定期的なメンテナンスが必要になります。治療費は、取り付けるインプラントの種類や口腔内の状態によって異なりますが30万~60万円かかるのが一般的です。歯科医院により異なりますので、事前にご相談してください。